ピンク・レディーとシンセサイザーの時代背景
Wikipediaによると、ピンク・レディーの代表曲「UFO」(1977年12月リリース)は、作曲家の都倉俊一がシンセサイザーを使って制作した最初の楽曲とのこと。
ちなみにYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のデビューは1978年。つまり「UFO」はシンセ黎明期に登場した画期的な楽曲でした。シンセサイザーが主流になるのは、この後の80年代に入ってからです。
一方、デビュー曲「ペッパー警部」(1976年8月)はシンセを使わず、オルガンやギター、タンバリンなどを駆使してインパクトを作り出しています。よく聴くとイントロはシンセではなく、エレキギターであることに気づかされます。当時の工夫と挑戦が感じられる部分です。カバーの基本はなるべくオリジナル楽器を再現しておりますが、今回はあえてシンセに置き換えてみました。
使用音源とシンセ実験
今回のカバー制作では、楽器ごとに以下のような工夫をしました。
- オルガン
ビンテージ感を出すために、Arturia B-3 V を使用。70年代の空気感を再現するには欠かせません。
- シンセ系サウンド
最初は Massive X を使ってみましたが、ここで「Expression問題」に直面。MIDIコントロールチェンジ(#CC11 Expression)が受け取れない仕様で、ヤマハ製MIDIデータに含まれる表情付けをそのまま活かせませんでした。AmpのLevelをMACROに割り当て、それをMIDI learnでと思ったのですが、Massive XでのMIDI Learnの仕方がわからず。オートメーション制御はできるようなのですが、手動で描く必要があり不便です。
- 解決策:Arturia系シンセ
最終的にMassive Xを諦め、Arturia Prophet 5 V、Arturia Jup-8 V に、置き換え。ArturiaのシンセはCC85にMaster Volumeが割り当てられており、CC11をCC85に書き換えるだけで即対応可能。この柔軟さが最近「Arturia推し」になっている理由です。
ボーカルアレンジ
ピンク・レディーは二人組ですが、実は「UFO」や「サウスポー」ではハモリはなく、ほぼユニゾン。歌唱はシンプルにしてダンスに集中していたのではないかと考えられます。
そこで今回は敢えて Synthesizer V(花隈千冬・小春六花・夏色花梨) でハモリを追加。オリジナルにはない厚みが出て、制作していても非常に楽しかったです。
サウスポーとREEL MACHINES
「サウスポー」では、念願の XLN Audio Addictive Drums 2 – REEL MACHINES を全開使用。ポンポンポンとシモンズ系ドラムの音が鳴るだけで、一気に70〜80年代のレトロ感が広がりました。まさに「音でタイムスリップ」したような感覚です。
公開予定
🎶 ピンク・レディー カバーシリーズ 🎶
- 【カバー花梨・六花】UFO / ピンク・レディー(1977年12月:第20回日本レコード大賞・大賞)
📅 9月26日 19:00
👉 YouTubeリンク - 【カバー花梨・千冬】サウスポー / ピンク・レディー(1978年3月:日本歌謡大賞)
📅 9月27日 19:00
👉 YouTubeリンク - 【カバー花梨・六花】ペッパー警部 / ピンク・レディー(1976年8月:デビュー曲)
📅 9月28日 19:00
👉 YouTubeリンク
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