REAC(リアック)というのは
Roland Ethernet Audio Communicationと言ってデジタル音声伝送のローランド独自規格です。
LANケーブル1本で40チャンネルの非圧縮音声を一気に流せるっていう優れものです。
これが無いと、40本のマイクケーブルをぐるぐるとスパゲッティのようにつなげなければなりません。
入力コネクターもそれだけの数が必要になります。
スペース的にすっきりするとともに、機材的には非常にシンプルな構成で済みます。
つまり、機材費用的に劇的に安く済ませることができるので、素人音楽家にとっては望みの綱であります。
以前、SONARというDTMソフトウェアはローランド社が面倒をみていたので、ローランド独自技術であるREACを使ったSONARとローランド社製ミキサーの接続テストはローランド社で行い、保証もしていましたが、今、SONARはローランドとは関係ない人になってしまったので、ローランド独自技術は無縁になってしまいました。
前回のブログにも書きましたが、
SONAR X2 まではローランドがちゃんとREAC対応をしていたのですが、
SONAR X3 以降のバージョンではローランドの独自技術なんて知らん、というのがSONARを作っているCakewalk社の言い分です。
ユーザーからすると本当に迷惑な話です。
先日のライブで、最新版であるSONAR Platinumを使ってレコーディングをしようとしたところ失敗に終わったのですが、どうしても納得がいかない。
ということを、PAエンジニアのミッキーさんにメールで話していたところ、
(ミッキー)「M-200i貸しますから、テストしてみてください。」
との電話が。ちなみにM-200iとはローランド社のデジタルミキサーの機種名。
(私)「えっ!まじっすか?!」
っていうことで、急きょ、DTMレッスンを行っていた和泉多摩川まで持ってきてくれたのです。
っていうことで、その場で接続テスト。
確かに、SONAR X2だと問題なく、いとも簡単に接続し、レコーディングができる。
なぜ、SONAR Platinumだとできないんだ????
と、あーだこーだ、いろいろいじってみる。
制限時間、1時間。
試行錯誤していたら、
なんと、レコーディングができる状態になったではないですか。
1、2トラックの音量インジケータが振れ始めました。
。。。とここで時間切れ。
なぜ、動くようになったのか?
まぐれ? この状態で本番で使って良い?
この場では判断がつかなかったのですが、しばらくM-200iを貸していただける、ということでしたので、自宅に持ち帰ってじっくりフィジビリティ・テストを行うことになりました。
ミッキーさん、ありがとう!
と言って自宅に持ち帰りましたが、すぐにフィジビリティ・テストはできず、まずは、先日のライブの編集を行わなければなりません。
40チャンネルの音声データのミックスダウンをするのだけど、重い重い。
オーディオのドロップアウトが発生しながらも、一生懸命ミックスダウンのエンコードを行っています。
TWDOOBの場合、ベースが3人いて、それぞれ同じベースアンプを3人で共有しています。
つまり1つのトラックに音が違う3つのベースが入ってきます。
曲毎にトラックを分けて、それぞれのベースの特徴に合わせてコンプをかけます。
こんなことができるのはREACで各楽器毎のトラックでレコーディングしているからです。
それでは、
(A)エアで録音しただけのもの
と
(B)マルチトラックをミックスダウンしたもの
を聴き比べてみてください。
(A)エアで録音しただけ、といっても、ちゃんとRODE NT1-Aというコンデンサーマイクx2で録音しているので、ビデオカメラについているマイクに比べたら悪いということは無いはずです。
(B)M-200i→SONAR X2でマルチトラックレコーディングした音声とエアで録音した音声をミックスした音源。ちなみにミックスの作業はSONAR Platinumです。間奏のコーラス部分(2:30頃)をぜひ聴き比べてください。
でも、逆に音がクリアすぎて、ボーカルのヘロヘロが目立てってしまいました。
>のぶさん、ごめんなさい。一番ヘロヘロな曲を使ってしまいました。
返って演奏の粗さが見えてきちゃうので、エアで一発録りのほうが良い、という人も出てきそうですが。
さて、いつまでも音声トラックをいじっている場合ではない。
早く各バンドの音声トラックを完成させて、動画編集をせねば。
じゃないと、せっかくお借りしたM-200iのテストができない。